東京五輪エンブレムが決まった。

「組市松文様」と名付けられた、A案。
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出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

展開性などを考えれば、最終候補4つの中で妥当といえるが、
最近つくづく、グラフィックデザイナーの原研哉氏が最初の選考時に提案し、次点とされた案が良かったと思う。
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出典:HARA DESIGN INSTITUTE

一般公募に応募する前に拝見したとき、「綺麗!」とか「かっこいい!」とか、そういう次元じゃなくて深奥から響くような高揚感と期待感、圧倒的な未来感と、僅かばかしの郷愁感のような感覚を持った。
ちなみに小生が提出したデザイン案は、かなりこのデザインに感化された部分があると自認しております。(コンペ前に遊びで作ったものはコチラ
works_olympic
「デザイン」は、西欧が産んだものである。
西欧の合理主義という、人間が理性を働かせて、意図して「つくる」ものである。
日本は、西欧近代化以前は、どちらかといえば自然から「なる」考えであった。
その時代に産まれた紋様は、自然が産んだものを図案化したものであり、今日のデザインとは少し異なるものだと思う。
決定したエンブレムは、紋としては新しいかもしれないし日本が西欧近代化“されて”、それまでの線とは異なる文化を歩み出す“以前の文化”の延長線上の可能性を感じさせるかもしれない。
しかし、原研哉氏のそれは、ただの延長線ではない。
西欧にではなく、“日本自らの手で、引き上げた”感があるのだ。
もし西欧近代化されずに、日本が独自に“デザイン”に目覚めていたらー。
そんな夢想を目の前に提示されたような気がする。
いわば、本当の意味での“日本のデザイン”。
覆ることはないでしょうが、氏のデザインは今後の日本のグラフィックデザインを考えるにあたって非常に示唆に富む、一つの指針となる気がします。